玄関ドアのリフォームは補助金対象?要件を満たすための注意点

「玄関ドアをリフォームしたいけれど、できるだけ費用を抑えたい」「せっかくなら補助金を使ってお得にリフォームしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
玄関ドアのリフォームには補助金が活用できるケースがありますが、玄関ドア単体のリフォームだけでは対象にならない場合も多く、制度ごとの条件や対象工事を理解しておくことが大切です。
この記事では、玄関ドアリフォームで活用できる補助金の種類や適用条件、活用する際の注意点について分かりやすく解説します。
玄関ドアのリフォームで補助金を使うなら複数工事を検討
玄関ドアのリフォームには、補助金を利用できる場合があります。ただし、玄関ドア単体のリフォームでは補助金要件を満たせないことが多いため注意が必要です。
補助金を活用するためには、窓の断熱リフォームや躯体の断熱改修など、他の工事と組み合わせて実施することが求められます。
特に、「断熱改修を含むリフォームであるかどうか」が大きなポイント。断熱性の高い玄関ドアを導入するだけでなく、他の断熱改修と組み合わせることで、補助対象となる可能性が高まります。
そのため、玄関ドアのリフォームで補助金を活用したい場合は、対象となる工事内容を事前に確認しておくことが重要です。
玄関ドアリフォームの補助金はいくらでるの?
玄関ドアリフォームで利用できる補助金には、以下のような制度があります。
制度名 | 補助上限額 |
子育てグリーン住宅支援事業 | 60万円/戸 ※必須工事3つを実施した場合 |
先進的窓リノベ2025事業 | 設置するガラスやドアの性能・サイズなどによって異なる |
介護保険 | 18万円/戸 |
自治体による補助金 | 各自治体の制度による |
ここでは、ひとつずつ詳細を解説します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して行う住宅省エネ2025キャンペーンの一環です。
この補助金の対象となる工事には「必須工事」と「任意の付帯工事」があり、補助金を申請するには複数の必須工事を実施する必要があります。
必須工事として、以下の3つのうち2つ以上を実施することが求められます。
1.開口部の断熱改修(例:断熱性の高い玄関ドア・窓の設置)
2.躯体の断熱改修(例:壁や床の断熱リフォーム)
3.エコ住宅設備の設置(例:高効率給湯器など)
玄関ドアのリフォームを補助対象にするには、以下の方法があります。
・先進的窓リノベ2025事業と併用する
・本事業のみを活用する
すでに「先進的窓リノベ2025」で補助金交付が確定している場合、本事業の「開口部の断熱改修」の要件を満たるため、追加で「躯体の断熱改修」または「エコ住宅設備の設置」を行うことで、補助対象になります。
子育てグリーン住宅支援事業のみを活用して玄関ドアリフォームを行う場合は、必須工事の「間口部の断熱改修」として玄関ドアを交換する、または「子育て対応改修」の一環として防犯性能向上や生活騒音対策を目的としたドア交換を行う形となります。
なお、1申請あたりの合計補助金が5万円未満の場合は、申請できません。また、同じ玄関ドアのリフォーム内容で国が実施する補助金制度は利用できない点にも注意が必要です。
開口部の断熱改修 (必須工事) | 子育て対応改修 (任意工事) | |
対象工事 | 断熱改修を目的としたドアの交換・ドアの設置 | 防犯性の向上・生活騒音への配慮を目的としたドアの交換 |
補助金額 | 必須工事3カテゴリー:上限60万円/戸 必須工事2カテゴリー:上限40万円/戸 | |
補助対象・条件 | ・この制度の支援事業者と工事請負契約等を締結し工事をする者 ・リフォーム実施する住宅の所有者等である者 ・2024年11月22日以降に着手した工事であること | |
申請期間 | 【交付申請予約】 ・2025年4月14日~予算上限に達するまで (遅くとも2025年11月14日を予定) 【交付申請】 ・2025年4月14日~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
先進的窓リノベ2025事業
先進的窓リノベ2025事業は、住宅省エネ2025キャンペーンの一環で、窓のリフォームに対する補助金です。玄関ドアのリフォームだけでは補助金の対象になりませんが、窓の断熱リフォームとセットで工事を行う場合には補助を受けられます。
住宅の断熱性能を高めるためには、開口部となる窓や玄関の断熱が重要です。この機会に、あわせて検討してみると良いでしょう。
対象工事 | ・ガラス交換 ・内窓設置 ・外窓交換(カバー工法・はつり工法) ・ドア交換 ※ドア交換は、窓のリフォームと同一の契約で工事する場合のみ対象 |
補助金額 | ・設置するガラスやドアのサイズと性能などによって異なる |
補助対象・条件 | ・本制度の支援事業者と工事請負契約等を締結し工事をすること ・リフォーム実施する住宅の所有者等であること ・2024年11月22日以降に着手、2025年12月31までに工事が完了していること |
申請期間 | 【交付申請予約】 ・2025年4月14日~予算上限に達するまで (遅くとも2025年11月14日まで) 【交付申請】 ・2025年4月14日~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
補助金額は、設置するガラスやドアのサイズと性能などによって設定されています。また、戸建・低層集合住宅と中高層集合住宅の違いによっても異なります。

玄関と窓といったように、別リフォームと組み合わせて活用ができるので、当社でも補助金が使えるような施工内容を提案しております。
介護保険|住宅改修
介護保険制度を玄関ドアのリフォームに活用する方法もあります。介護保険制度には「住宅改修」という項目があり、リフォームの補助金に活用できるのです。
住宅改修の利用回数は原則として一人一回です。介護区分が三段階重くなったときや、転居した場合は制度の再利用が可能になります。
ただし、対象者が要支援・要介護認定された方に限られており、積極的に活用するのは難しい制度と言えます。ご家族に対象となる方がいる場合は、利用を検討してみると良いでしょう。
対象工事 | ・段差の解消 ・手すりの取付け ・引き戸等への扉の取替え など |
補助金額 | ・リフォーム費用限度額(20万円)の7~9割(14~18万円) ※リフォーム費用の1~3割は自己負担 |
補助対象・条件 | ・要支援・要介護のいずれか認定を受けている ・要支援、要介護認定を受けた被保険者が居住している など |
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地方自治体による補助金
上記の制度は国の補助金制度ですが、地方自治体が独自で行う補助金制度もあります。お住まいの地域の市区町村が実施していないか確認してみましょう。
自治体の補助金に限らず、ご紹介した補助金制度は内容が変わることがあります。リフォームを具体的に進めるタイミングで、あらためて運営元のHPを確認すると安心です。
また、「住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」でも、お住まいの市町村で補助金制度を行っているのかを確認できます。
【長野県松本市のリフォームに関する補助金制度の一例】 | |
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対象工事 | 玄関ドア・勝手口ドアの断熱改修 |
補助金額 | 補助上限額20万円とし、補助対象設備により補助額が異なる |

予算が上限に達し、予定より早く終了することも。こまめにチェックしましょう。
補助金を活用するときに注意したいポイント
補助金制度は多くの条件があり、手順を間違えてしまわないか心配になりますよね。ここでは、制度を活用するにあたり、特に注意したいポイントをまとめました。
申請するタイミング
補助金の申請はリフォーム前に行う場合もありますが、玄関ドアのリフォームでは工事が終わってから申請するものもあります。これは、工事前と工事後の違いや、最終的な費用が申請に必要となるためです。
申請には工事前後の写真が求められることもあることから、リフォームを検討する際は、事前にリフォーム会社へ相談しておくことをおすすめします。

補助金制度は、着工期限、完了期限なども設定されていることが多いです。工事のスケジュールにも気を配りましょう。
他の制度と併用可否
補助金を利用するにあたり見落としがちなのが、他の制度との併用可否。併用できないパターンもあるので注意しましょう。
例えば、国の補助金は、別の国の補助金との併用を不可にしているケースが多い傾向です。一方、国の補助金と地方自治体の補助金は併用可能だったりします。
いずれにしても、制度ごとに独自の取り決めがあるため、しっかりチェックしておきましょう。

併用の可否については、サイトのQ&Aページをチェックしてみるといいかもしれません。
玄関ドアリフォームの詳しい費用や施工事例が気になる方は、こちらのページも合わせてチェックしておきましょう。
玄関ドアのリフォーム費用はどのくらい?ドアの選び方と事例も紹介!>>
補助金を使った玄関ドアリフォーム経験
玄関ドアのリフォームを依頼する施工会社が、補助金制度を利用した経験があるかどうかも確認しておくと安心です。リフォームの補助金申請は、リフォームを依頼する施工主自身が行うわけではなく、工事を受注した施工会社が担当します。
補助金は、申請の受付期間中でも上限に達すると終了するため、スムーズかつ迅速な手続きが求められます。補助金申請に不慣れな施工会社に依頼すると、本来利用できたはずの補助金を利用できなくなってしまう可能性もあります。
そのため、玄関ドアのリフォームを依頼する際には、補助金の申請経験を持つリフォーム会社に依頼すると良いでしょう。
玄関ドアリフォームの補助金まとめ
今回は、玄関ドアリフォームに活用できる補助金制度について詳しくご紹介しました。
補助金を活用することで、リフォーム費用を大幅に抑えられる可能性がありますが、玄関ドア単体のリフォームでは補助対象にならないことも多いため注意が必要です。
特に、「窓の断熱リフォーム」や「家全体の断熱改修」と組み合わせることが条件となるケースが一般的です。また、補助金制度は年度ごとに内容や条件が変更されることが多く、申請のタイミングや工事スケジュールの調整も重要です。
「リフォームする際に何から始めたらいいかわからない」「自分のリフォームが補助金対象になるのか知りたい」という方は、補助金申請に詳しいリフォーム会社に相談することをおすすめします。
鈴与ホームパルでは、補助金を活用したリフォームのご提案や申請サポートを行っております。費用面での不安を軽減し、快適で安心な住まいづくりをサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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