COLUMNリフォーム豆知識
内装・インテリア 2025.06.13

壁に珪藻土を使うメリット・デメリット|漆喰との違いや気になる点を紹介

壁に珪藻土を使うメリット・デメリット|漆喰との違いや気になる点を紹介

室内の快適さを左右する「壁材」。近年では、調湿や消臭といった機能性に優れた自然素材の「珪藻土(けいそうど)」が注目されています。

本記事では、珪藻土の特徴や漆喰との違い、メリット・デメリット、さらにはDIYや寿命に関する疑問にもわかりやすくお答えします。新築やリフォームで壁材を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

壁などに使われる珪藻土とはどんな素材?

珪藻土は、天然素材ならではの優れた調湿・消臭効果を持つ注目の壁材です。

ここでは、珪藻土の基本的な特徴と、よく比較される漆喰との違いについて解説します。

珪藻土とは調湿・消臭効果に優れた天然素材

珪藻土とは、植物プランクトンの「珪藻」が化石化し、海や湖の底に堆積(たいせき)してできた天然素材です。珪藻土には微細な孔が無数に空いており、その構造により湿気を吸収したり放出したりする調湿機能や、イヤなニオイを吸着し分解する消臭機能を発揮します。

主に建築材の壁材として用いられ、自然素材を使った快適な住まいづくりに活用されています。

漆喰との違い

珪藻土とよく比較される素材として、漆喰があります。どちらも自然由来の壁材ですが、それぞれ以下のような違いがあります。

  珪藻土 漆喰
原料 珪藻の化石 消石灰
質感

ザラザラとしたマットな風合い

なめらかで光沢感がある

優れた機能性 調湿・消臭 調湿・消臭・抗菌・防カビ・耐久性
費用 ビニールクロスよりも高いが、珪藻土と漆喰では変わらない
画像出典:四国化成|内装材

珪藻土はザラザラとしたマットな質感で温かみがあり、ナチュラルテイストな住宅や、和風テイスト、北欧調などの住宅によく合います。漆喰は粒子が細かいためツルっとした光沢感のある仕上がりで、洋風テイストの住宅やフローリングとの相性が良いです。

どちらも調湿効果に優れていますが、特に珪藻土は多孔質構造により、漆喰の約1.2倍の調湿力があります。そのため、湿度の高い地域や湿気のこもりやすい部屋には珪藻土が適しているといえるでしょう。

消臭効果については、珪藻土と漆喰で分解するニオイが異なります。珪藻土は、調理や食事のニオイ、たばこ、ペットなどの水溶性のニオイを消臭するのに効果的です。漆喰はアルカリ性という特性上、汗や靴、生ごみといった酸性のニオイに対する消臭効果に優れ、細菌やカビなどを分解する性能もあります。

また、漆喰は石灰石に戻っていく特性があるため耐久性にも優れているのが特徴です。

鈴与ホームパル

住宅のテイストや環境によって適した壁材は異なります。まずは、お気軽に鈴与ホームパルにご相談ください。

珪藻土の壁材を選ぶメリット

珪藻土の壁材には、快適な室内環境を実現するさまざまなメリットがあります。ここでは、珪藻土ならではの調湿効果や消臭効果、豊富なカラーバリエーションについて解説します。

調湿効果で一年中快適に過ごせる

珪藻土壁紙の大きな魅力は、湿度をコントロールしてくれる点です。湿度が高いときは空気中の水分を吸収し、乾燥すると蓄えた水分を放出することで、室内の湿度を一定に保ちます。

梅雨時期のジメジメ感や、冬の乾燥による不快感を軽減できるため、一年を通じて過ごしやすい空間を実現づくりに役立ちます。

イヤなニオイの発生を抑える

珪藻土は、湿気と一緒にニオイの成分を吸着して分解する働きを持っています。例えば、魚を焼いたあとのニオイや、タバコやペットなどの生活臭の原因となる成分を抑えてくれるため、清潔感のある空間をキープしやすくなります。

豊富なカラーバリエーションを楽しめる

珪藻土は、着色料を加えることで豊富なカラーバリエーションを楽しめます。ナチュラルなベージュやアイボリーといった定番色から、グレーやブルー系、パステルカラーなど、インテリアに合わせた選択が可能です。

鈴与ホームパル

壁の塗り柄は、施工時に職人さんがその場でつけます。他に同じものがなく、オリジナルの壁に仕上げられる点も魅力です。

珪藻土の壁材を選ぶデメリット

珪藻土の壁材にはメリットが多い一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、珪藻土を選ぶ際に考慮したいポイントについて解説します。

シミができやすい

珪藻土は湿気を吸収する性質があるため、水分を含むとシミができやすくなります。一度ついたシミは完全に取り除くことが難しく、特にコーヒーなど色の濃い飲料や、油汚れが付着すると跡が残りやすいです。

また、水拭きができないため、掃除の際も注意が必要です。乾いた布で軽く拭くのが基本ですが、商品によっては表面がざらついているため、布が引っかかって傷んでしまうこともあります。

汚れの目立ちにくさを考えるなら、ブラウン系などシミが目立ちにくいカラーを選ぶのがおすすめです。

鈴与ホームパル

小さいお子さまのいるご家庭では、頻繁に壁をさわってしまうことも考えられます。もし珪藻土の壁にしたい場合は、腰壁と併用するのがおすすめです。

壁紙に張り替えるのが難しい

一度壁を珪藻土にすると、簡単に壁紙に張り替えることができません。経年による汚れや劣化が気になってきた場合は、基本的に再度珪藻土を塗り直す対応となります。

そのままの状態で壁紙を貼ることは難しく、珪藻土を剥がして下地を整えたり、新たに石膏ボードを貼り直したりする作業が必要になるケースもあります。

将来的に壁紙に替えることを視野に入れている場合は、あらかじめリフォーム会社などの専門業者に相談しておくと安心です。

珪藻土の壁材を選ぶ際に気になること

珪藻土の壁材を選ぶ際には、寿命や発がん性、DIYの可否など、さまざまな疑問が浮かぶかもしれません。ここでは、珪藻土を検討する際に気になるポイントについて解説します。

寿命は何年?

珪藻土の壁紙の寿命は、20~30年程度といわれています。ただし、これはあくまでも目安であり、使用する材料や施工の品質、メンテナンス頻度によって異なります。

それでも、一般的なビニールクロスと比較すると耐久性が高く、長期的に見てもコストパフォーマンスの高い素材といえるでしょう。

発がん性の心配は?

珪藻土そのものには、発がん性の心配はありません。発がん性があるとされているのは、「石綿(アスベスト)」という鉱物です。空中に浮遊した石綿(アスベスト)の繊維を吸い込むことは危険とされ、日本では健康への重大な影響があるため使用が禁止されています。

過去には、石綿(アスベスト)を含有した珪藻土製品(例:バスマットなど)が出回ったことで、誤解が生じることもありましたが、珪藻土自体は安全な素材ですので安心して使用可能です。

DIYでも対応できる?

壁を珪藻土仕上げにすることはDIYでも可能ですが、一般的にはあまりおすすめできません。DIYでは調湿効果を発揮できなかったり、耐久性に問題が出てすぐにひび割れが生じたりする恐れがあります。

珪藻土本体の性能や美しい仕上がりを期待するなら、専門の施工業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

珪藻土は、自然素材ならではの力で湿度をコントロールしたり消臭効果に優れたりと、快適な住まいづくりに役立つ壁材です。また、カラーバリエーションの豊富さも魅力の一つですが、シミができやすいことや壁紙への張り替えが難しいことなど、デメリットについても理解しておく必要があります。

壁材には、珪藻土以外にもさまざまな種類があります。鈴与ホームパルでは、素材ごとのメリット・デメリットを丁寧にご説明し、お客様のライフスタイルやご希望に合わせた最適な壁紙のご提案をいたします。

快適で心地よい空間づくりのための壁材選びについて、ぜひ鈴与ホームパルにご相談ください。

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