【悩み別】ペットリフォームのアイデア集|費用相場やポイントを紹介

ペットとの暮らしは、癒しや楽しさをもたらしてくれる一方で、住まいに関するさまざまな悩みもつきものです。
例えば、ニオイやキズ、汚れ、生活音、寒暖差、安全性といった問題は、日々の生活に影響を及ぼす可能性がありますが、こうした悩みの多くは、リフォームによって改善・解消できるケースも多いです。
本記事では、ペットとの暮らしでよくある住まいの悩みと、解決するためのリフォームのアイデアをご紹介。特に、犬や猫との暮らしに焦点を当て、それぞれの習性を考慮した住環境の整え方についても詳しくお伝えします。
ペットと暮らす快適な環境はリフォームで叶う
ペットとの暮らしでは、ニオイやキズ、抜け毛、騒音、寒暖差といった悩みがつきものです。こうした問題は、日々の快適さや安全性に影響を及ぼすこともありますが、住まいのリフォームを行うことでこれらのお悩みを改善・解消することが可能です。
ペットの習性に配慮したリフォームを行い、ペットも人も快適に過ごせる工夫をすることで、心地よい住環境を実現できます。

例えば、滑りにくく、クッション性のある床材を選ぶことで、ペットの足腰への負担を軽減でき、安全性と快適性の両立が可能です。
【悩み別】ペットリフォームのアイデア
ペットとの暮らしにおける悩みは、飼い主のライフスタイルや住まいの条件によってさまざまです。
ここでは、よくあるお悩みをテーマごとに分けて、それぞれに適したリフォームのアイデアをご紹介します。
暑さ・寒さ対策
ペットも人間と同様に、暑さや寒さの影響を受けやすく、室内の温度管理が重要です。
まず、夏場の暑さ対策として有効なのが「内窓(二重窓)」の設置です。断熱性能が高まり、外気温の影響を受けにくくなるため、冷房の効きが良くなります。冷房効率が向上することで光熱費の節約にもつながり、経済面でもメリットがあります。また、内窓には防音効果もあるため、騒音対策と併せての導入もおすすめです。
一方、冬場の寒さ対策として有効なのが、風を出さずに部屋を暖められる「床暖房」の設置です。エアコンやヒーターのような送風式の暖房機器は、ペットの毛やホコリが舞いやすくなりますが、床暖房であれば風を発生させずに部屋を暖められるため、アレルギー対策にもつながります。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
内窓の設置 | 約3~20万円/1窓 |
床暖房の設置 | 約5~10万円/帖 ※熱源機の設置が必要な場合は、別途25~50万円程度 |
窓の断熱リフォームの種類と費用目安!断熱のポイントも解説>>

エアコンを常時使用されるご家庭では、内窓の設置によって断熱性能を高めると効果的です。
ニオイ・調湿対策
ペットと暮らす際に多くの飼い主が感じる悩みのひとつが「ニオイ」です。
ペットのニオイは、飼い主は生活の中で慣れることもありますが、来客にとっては気になる場合もあります。対策として、消臭機能付きの壁材へ張り替えることで、こうしたニオイを軽減できます。
また、湿気はニオイの原因だけでなく、カビやダニの発生要因にもつながるもの。調湿機能を持つ壁材や珪藻土塗装を採用することで、湿度を適度に保ち、室内環境の改善が可能です。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
消臭機能付き壁材への張り替え | 約1,300~2,000円/㎡ |
珪藻土の塗装 | 約3,000~6,000円/㎡ |
キズ・汚れ対策
ペットの爪や汚れで傷つきやすい床や壁には、耐久性・防汚性に優れた内装材を使用したリフォームが効果的です。
具体的には、床材としてペット対応のフローリングやクッションフロアを用いることや、壁材には耐久性の高いクロスを使用することがおすすめです。
さらに、ひっかき傷が集中しやすい壁の下部には、「腰壁」を設置するのも有効です。腰壁とは、腰の高さより下の位置にある壁に、汚れやキズに強い素材を貼る施工方法です。
また、ドア周辺では、ペットが開けてもらいたくて爪でひっかくことが多いため、ペットドアを設置することで傷を防止できます。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
クッションフロアへの張り替え | 約5,000〜2万円/坪(2帖) |
ペット用フローリングへの張り替え | 約1〜3万円/坪(2帖) |
ペット用クロスへの張り替え | 約1,800~2,000円/㎡ |
腰壁の設置 | 約1〜2万円/m |
建具を改造してペットドアを設置 | 約5~10万円 |
滑り防止・安全対策
フローリングなどの滑りやすい床材は、ペットの関節に負担をかける原因になります。対策としては、滑り止め効果のある床材に貼り替える方法が挙げられます。
クッション性もある素材であれば、万が一の転倒時の衝撃も軽減可能です。階段や段差のある部分には、滑り止めマットを設置することで安全性が高まります。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
ペット用フローリングへの張り替え | 約1〜3万円/帖 |
クッションフロアへの張り替え | 約5,000〜2万円/坪(2帖) |
遮音・防音対策
ペットの鳴き声や足音は、近隣住民とのトラブルの原因になることがあります。特にマンションやアパートなどの集合住宅では、音の問題が起きやすいため配慮が必要です。
こうした騒音を軽減するためには、防音性のある建材を用いたリフォームが有効です。床は防音性能のあるフローリング材へ交換することで、足音の響きを軽減できます。
また、室内の音が屋外に漏れるのを防ぐためには、「内窓(二重窓)」の設置もおすすめです。鳴き声だけでなく、外からの騒音も遮断できるため、外音に敏感なペットのストレス軽減にもつながるでしょう。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
防音フローリングへの張り替え | 約2~4万円/坪(2帖) |
内窓の設置 | 約3~20万円/1窓 |
いたずら対策
ペットのいたずらによって住まいの設備が傷むことは、よくあるトラブルの一つです。なかでも網戸は、猫が登ったり、犬が突進してしまったりして破れることが多いです。
耐久性の高いステンレス製の網戸へ交換することで、破れにくくなり脱走防止にもつながります。特に好奇心旺盛な猫がいる家庭にはおすすめのリフォームです。
ステンレス製の網戸への交換費用は、1枚あたり1万~2万円が相場となっています。
脱走防止対策
ペットが突然外に飛び出してしまう脱走は、飼い主にとって大きな不安要素です。猫や小型犬は、玄関のドアや窓のちょっとした隙間からでも外へ出てしまうことがあります。
出入りの多い場所に「脱走防止扉」や「ゲート」を設けることで、物理的に仕切りをつくり、外への飛び出しを防げます。隙間の幅や高さを工夫した設計にすることで、ジャンプやすり抜けも予防可能です。
室内と屋外の動線をしっかり分けることで、飼い主も安心して窓やドアの開け閉めができるようになります。
脱走防止扉や柵を設置する際の費用相場は、10万~30万円ほどです。
遊び場
ペットが室内でストレスを溜めずに過ごすためには、適度な運動と遊びが欠かせません。家の中に十分に運動できる環境がないと、問題行動(吠え・爪とぎ・いたずら)につながることもあります。そのため、リフォーム時には「遊び場」を計画的に設けることがおすすめです。
例えば、猫の場合は高さを活かした「キャットウォーク」や「キャットステップ」の設置が効果的でしょう。犬の場合は、庭などのスペースに「ドッグラン」を設けることや、庭を遊び場にするための柵を設置することで、自由に走り回れる環境を作れます。
専用のスペースを確保することで、家具や壁の損傷防止にもつながるため、ペットにも飼い主にもメリットがあります。
各リフォーム費用の相場は、以下の通りです。
キャットウォーク設置 | 約5~10万円 |
ドッグラン設置 | 約10~100万円 |
庭遊びのための柵を設置 | 約50~100万円 |
犬・猫で異なるペットリフォームのポイント
ペットリフォームを考える際、犬と猫では習性や行動パターンが異なるため、それぞれに適した対応が必要です。
ここでは、ペットとして人気の高い犬と猫に適した住まいづくりのポイントをご紹介します。
犬向けリフォームのポイント
犬は活発に動き回るため、まずは安全性を重視したリフォームが求められます。
床材は滑りにくく、足腰にやさしいクッション性のあるものを選ぶと良いでしょう。吠え声が気になる場合には、防音効果のある壁材や内窓を取り入れるのもおすすめです。
また、散歩後の足を洗えるように、玄関先にペット専用の水栓や洗い場を設けると便利です。さらに、犬が安心してくつろげる室内犬小屋や専用の寝床スペースを用意しておくと、ペットのストレスの軽減にもつながります。
ケガ防止・防音対策・清潔の保ちやすさ・安心できる居場所の4つを意識して設計することがポイントです。
猫向けリフォームのポイント
猫は高いところに登ったり、静かな空間を好んだりするため、縦の動きや落ち着ける場所を意識した設計が求められます。キャットウォークやステップを設けると、猫が安心して運動できる空間が生まれます。
また、トイレは静かで清潔な専用スペースを確保することが重要です。猫は敏感な動物であるため、騒がしい場所やにおいのある場所ではトイレを我慢してしまうこともあります。
その他にも、日々の掃除がしやすい構造にしておくことが大切です。さらに、引っかき行動による傷対策として、壁や家具に強化素材を使うことで、住まいを美しく保ちやすくなります。
上下運動ができる工夫・静かな環境・掃除のしやすさ・ひっかき対策の4点を考慮したリフォームが理想的です。

犬と猫をはじめ、ペットによって習性が異なるため、それぞれの特徴に配慮した設計が求められます。個別の性格もふまえた住まいづくりを心がけると、より快適な環境になります。
ペットリフォームをする際の注意点
ペットとの快適な暮らしを実現するリフォームには、事前の調査と準備が大切です。ここでは、実際にリフォームを行う際に注意すべきポイントを解説します。
マンションの管理規約をチェックする
マンションでペットリフォームを行う際には、管理規約を事前に確認する必要があります。
専有部分であっても、以下のような施工に制限が設けられているケースがあります。
・一定の防音性能を満たす床材の使用が義務付けられている
・窓サッシの交換や内窓の設置に制限がある
また、バルコニーや玄関まわりなどの共用スペースについては、原則としてリフォームが認められていません。万が一管理規約に違反して工事を行ってしまうと、原状回復の義務が生じる可能性や、近隣とのトラブルに発展する恐れがあるため注意が必要です。
トラブルを回避するためにも、リフォームの計画段階で管理組合に相談しておくことが重要です。書面での承認が必要なケースもあるため、事前確認と手続きの準備をしっかり行いましょう。
ペットの行動特性を考慮した設計を行う
ペットリフォームでは、建材の強度や安全性だけでなく、ペットの「習性」や「性格」も踏まえた設計が重要です。
例えば、室内のコーナーやドア付近など、ペットがぶつかりやすい、もしくはひっかきやすい場所などには、耐久性のある素材を配置するのがおすすめです。ドアや窓の開閉音に敏感な子には、ドアや窓にソフトクローズ式の建具を採用するなど、ストレスの少ない配慮も必要です。
また、複数のペットがいる家庭では、互いに干渉せず過ごせるように「ゾーニング(空間の分離)」の導入もおすすめです。こうした細かな配慮は、快適性の向上だけでなく、問題行動の予防にもつながります。
工事中のペットの安全を確保する
リフォームの工事期間中は、大きな作業音や見知らぬ人の出入りが多く、ペットにとって大きなストレスになります。
特に、開いたままのドアや窓からの脱走には注意が必要です。また、ペットが怖がって隠れてしまうことや、作業中のエリアに入り込み、思わぬケガにつながる可能性もあります。
このようなトラブルを防ぐためには、次のような対策が有効です。
・ペットを別の部屋に移す
・ケージやサークルに入れておく
・ペットホテルや知人宅に一時的に預ける
また、事前に業者にペットがいることを伝えておき、配慮してもらえるように相談することが望ましいでしょう。ペットの安全と工事の円滑な進行、両方を守るための工夫が必要です。

リフォーム中も、ペットが落ち着いて過ごせる環境づくりが大切です。事前に安全対策を講じておくことで、工事中のストレスや脱走リスクを軽減できます。
まとめ
本記事では、温度管理・ニオイ対策・傷や汚れの防止・防音・脱走防止など、ペットとの暮らしで生じやすいお悩みに応じたリフォームアイデアをご紹介しました。
ペットと快適に暮らすためには、細やかな設計の工夫が求められます。さらに、犬や猫の性格・習性に適した空間設計や、工事中の安全対策なども、満足度の高い住環境づくりには欠かせません。
ペットにも人にもやさしい住まいの工夫を取り入れることで、家族全員が安心して過ごせる空間をつくることができます。
鈴与ホームパルでは、ペットに配慮した快適でお手入れもしやすいリフォームプランをご提案しております。お困りごとやご希望がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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