COLUMNリフォーム豆知識
その他 2022.12.16

断熱リフォームを失敗することはある?成功させるためのコツとは

断熱リフォームを失敗することはある?成功させるためのコツとは

「家の中が寒い」「暖房の効きが悪い」などの理由から、断熱リフォームを検討されている方はいませんか。断熱リフォームはヒートショック対策としても有効ですから、家庭内事故を防ぐためにも積極的に検討いただきたいリフォームです。

ただし、ポイントを押さえて工事をしないと断熱効果が発揮されず、後悔してしまうことも…。そこで今回は、断熱リフォームで失敗するケースや成功させるためのコツをご紹介します

断熱リフォームの失敗例とその対策

断熱リフォームは、単純に断熱材を入れればいいというわけではありません。寒さ・暑さの原因や、家の状態に適した材料・施工場所・施工方法を選ぶことが大切です。それでは、さっそく断熱リフォームの失敗例を見ていきましょう。

断熱材を入れたが効果が感じられない

まずは、「断熱リフォームをしたけれど、あまり効果を感じられなかった」という失敗例です。

失敗の原因は、次の4つが考えられます。

・断熱材の性能が低い
・断熱材を正しく施工できていない
・気密性に配慮されていない
・優先すべき箇所の断熱ができていない、断熱箇所が足りない

また、せっかく断熱性を高めても隙間があったのでは、暖まった空気は外に逃げてしまうもの。断熱性と気密性はセットに考えるようにしましょう

そして、家の中でもっとも断熱性能が低くなりやすいのが、外との接点である開口部(窓や出入り口)。開口部を断熱せずに壁や床の断熱をしても、期待する効果は得にくいものです。窓が2つ以上あるお部屋の場合、すべての窓に断熱施工をすることを検討できるとよいでしょう。

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断熱リフォームは少なくとも「一部屋単位で考える」ことがポイントです!

廊下や玄関はリフォーム前より寒い・暑くなった

特定の部分だけ断熱リフォームをした場合、工事をしていない部分が以前より寒い・暑いと感じることがあります。

たとえば、寝室を断熱リフォームして快適に眠りにつけるようになった反面、夜間トイレに行く際、廊下や玄関まわりが以前より寒く感じられるといったケースです。

温度差を感じる原因は、リフォームをして寝室が暖かくなったことはもちろん、リフォーム以前は暖房の熱が壁や床、天井を伝って家全体を緩やかに暖めていたことが考えられます。断熱リフォームをするときは生活動線を考え、リフォームの範囲や方法を検討することが大事です。

局部的に結露がひどくなった

断熱リフォームをした部屋の一部分に、結露やカビが発生してしまうケースも見られます。とくに、人が長く過ごすリビングや寝室などの、空気が停滞しやすいクローゼットや押し入れは要注意です

人が長時間いる場所は、体から蒸発する水分で湿度が高くなりがちです。クローゼットの背後が外壁だったり使っていない無暖房の部屋だったりすると、そこで温度差が生まれ、結露が起こってしまいます。同じ仕組みで、家具と壁のあいだに結露が起こることも。

結露を防ぐには、湿気た空気を停滞させないことがポイントです。換気も意識したリフォーム計画を立てたり、サーキュレーターで空気を動かしたりするといいでしょう。

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湿度の上昇は、加湿器や石油ストーブの影響もあります。

気密性が高くなったせいか夏場が暑い

断熱リフォームをすることで“冬暖かく夏涼しい”環境をつくることが可能です。しかし、「断熱リフォームをしたら、かえって夏の暑さが増した」という声を聞くことがあります。

冬の寒さの原因は外気の影響が大きいですが、夏の暑さの原因は複合的です

例として、太陽光線の熱が考えてみましょう。窓から入る日差しが床に当たり、床が熱をもつことで部屋全体の温度が上がります。さらに、断熱リフォームで気密性が上がっていることで熱ごもりが起き、室内がとても暑い状態に。

この場合の対策は、窓の外によしずやシェードを設置して日差しを遮るのが有効です。風の通り道を確保し、熱がこもらない環境をつくることも効果が期待できます。

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暑さの原因がなんなのかを見極めることがポイントです!

断熱リフォームを失敗しないためのコツ

断熱リフォームは、ご家庭によって適正な施工方法や予算が異なるため、判断が難しいと感じる方も少なくありません。ここではそんな方のために、断熱リフォームで失敗しないために押さえておきたいコツを3つご紹介します。

補助金活用する

断熱リフォームは補助金対象になるケースが多いです。補助金の活用例として多いのが、「お風呂リフォーム+断熱工事」。ユニットバスの交換と併せて、壁に断熱材を入れたり内窓を取り付けたりします

断熱リフォームの効果が思ったほど感じられないケースでは、「予算を抑えるために、工事範囲を縮小した・断熱材の性能の下げた」ことが原因になっていることも。補助金を活用することで、適正な断熱工事がしやすくなります。

断熱リフォームの補助金については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

断熱リフォームに活用できる補助金は?既存住宅における断熱リフォーム支援事業を解説>>

工事のタイミングとランニングコストを考える

一般的に、リフォーム工事はまとめて行うほうが工事費用を抑えやすいです。たとえば、内外装工事を含むリフォームをするときに断熱改修も行えば、断熱工事のためにあらためて床や壁を剥がす必要がありません。

また、断熱リフォームをすると冷暖房効率が上がり、光熱費の削減が見込めます。そのため、月々の電気代を考えるとリフォームをしたほうがお得になるケースも。快適に暮らせるうえ、早くやればそれでだけランニングコストを抑えられる点にも注目しましょう。

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「後でやっても同じなのか、今やったほうがお得なのか」という視点が大事です。

断熱リフォームの費用について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

断熱リフォームの費用相場はどのくらい?効果や費用を抑えるコツもご紹介>>

断熱リフォームの実績を確認する

最後は、リフォーム会社選びです。断熱リフォームは目に見えない部分の工事になるうえ、家の構造によって臨機応変な対応が求められます。そのため、断熱工事の知識や経験が大きなポイントに。

依頼する会社を選ぶときは、断熱リフォームの実績があるかといった点も確認しましょう。また、家の構造付近への施工になることから、耐震リフォームの実績も併せて確認できるとなおいいです。

断熱リフォームまとめ

近年は高気密・高断熱の住宅が多いですが、少し築年数が経ってくると、やはり寒い・暑いという問題が出てくるものです。

当社では、一戸建て・マンションの両方の断熱リフォームの実績があり、築25年程度の住宅にお住まいの方からご依頼をいただくケースが多いです。

いずれにしても、費用対効果を慎重に判断し、より効果的な断熱リフォームプランをご提案させていただいています。ケースによっては、断熱工事をせずともお困りを解消できる場合もあるため、気になる方はぜひ一度ご相談ください。

この記事のポイント・失敗例として効果が感じられない、
 暑い・寒くなったといったケースがある
・費用が気になる場合は補助金の活用を検討する
・断熱リフォームの実績のある会社に依頼する
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